活用できるデータと記事

Report & Column

Twitterから「X」へ 何が変わった?

DX用語営業活動

SHARE

DX先端研究所の記事でも何度か取り上げていたTwitterですが、2022年10月にイーロン・マスクが買収したことが発表され、2023年7月にはサービス名も「X」へと変更されました。
ドメインには「twitter」の表記を保持したままですが、この買収発表から現在に至るまで様々なサービス変更が行われています。

今回の記事ではこのTwitterから「X」に変わったことで起きた変化を、その買収発表時から現在(2023年9月現在)に至るまでご紹介します。

*2024年1月現在の情報を追記しました。

鈴木脩一

鈴木脩一

研究員/広報

調査概要

買収後に行われた変更


買収が発表され、「X」にサービス名が変更されるまでにも様々な変化がありました。

Twitter APIの無料サポートが終了し、使用を有料化


「API」とは「Application Programming Interface」の略で、プログラムやアプリケーションが他のソフトウェアと情報をやり取りするための方法を提供する仕組みです。いわばデータやサービスを共有するための通信の窓口と言えます。

私達が普段見ているWebサイトの中にTwitterの投稿が埋め込まれていたり、別のアプリからTwitterにそのまま投稿できたりするのは、サイトの制作者やアプリ開発者がこのTwitter APIを利用しているためです。

このAPIは当初無料でサポートされていましたが2023年2月にサポートが終了し、翌3月からはAPIの機能を試験的に利用できる無料版と、有料版の2つがリリースされました。この変更により APIを利用したサービスの運営者は対応が求められる事態になりました。



有料アカウントTwitter Blueの導入(現:X Premium)


2023年1月からこれまで北米等に限定されていた有料アカウント「TwitterBlue」のサービスが開始されました。この有料アカウントは現在「XPremium」と名称を変更し、他の施策にも大いに関わってきます。
この有料アカウントには主に下記のような機能が追加されました。

・140字を超える長文投稿が可能に(現在25,000文字まで投稿可)
・長時間の動画の投稿が可能
・自分の投稿が他のユーザーのTLへ表示される頻度があがる
・投稿した内容の編集や削除が指定時間内であれば可能

無料のアカウントとは投稿できる内容が大幅に変わり、優先的に表示されるといった大幅な変更が行われています。

「X」と変更されてからの新しい要素


2023年7月にサービス名が正式に「X」に変更になると、さらに様々な変更が行われました。

ロゴと機能名の変更


「X」にサービス名が変更されると、ロゴは黒を基調とした「X」をモチーフにしたロゴに変更になり、かつて青い鳥がロゴだった時の印象とは大きくその印象を変えました。

また、同時に「Twitter」という言葉に由来する機能名に関しても公式に変更が行われます。
Tweet(ツイート)はPost(ポスト)に変わり、ReTweet(リツイート)はRePost(リポスト)と大幅に変更されました。

このロゴや機能名の変更で各WebサイトではTwitterの青い鳥アイコンの差し替えは勿論、「弊社のTwitterはこちらから」「リツイートした方から抽選でプレゼント!」といった文言の変更が求められるようになりました。



しかし2023年9月現在では「X(旧:Twitter)」と言った表記のように、馴染みのある表記や機能名を併記して記載するWebサイトも多く見受けられます。

アルゴリズムの変更


Xに変わったことで、投稿内容が他のユーザーのタイムラインへ表示されるアルゴリズムにも一部変化が見られました。特にメディア(画像や動画)をつけた投稿や、ブックマークされた投稿がさらに重視されるようになったことに加え、「返信に対して自分が返信すること」が重視されるようになったことが特徴的です。
これはより「Twitter」の時からのアルゴリズム変更でも見られた対話を重視する方向性に基づくものと考えられます。

クリエイター広告収益プログラム


そして話題になったのが日本でも2023年8月から開始された「クリエイター広告収益プログラム」です。このプログラムには「X Premium(旧Twitter Blue)」に加入していることを前提条件に、フォロワー数等の条件を満たしたユーザーが加入できます。そしてこのプログラムに参加したユーザーは、個人の投稿や返信が見られる際に表示された広告数によってその広告費が還元されることになっています。



分かりやすく言えば「投稿内容が見られるほど広告収入を得る」というYou Tube等の再生回数に応じた収益と近いイメージと言えます。

収益化にはクリアすべき前提条件も多く、さらには過去3ヶ月で常に投稿が500万回以上表示されている状態であることも必須とされます。

音声通話とビデオ通話が可能に



*2024年1月追記

2023年10月にユーザー同士の「音声通話」と「ビデオ通話」機能が追加されました。この機能は2023年8月に予告されていたものですが、「Xプレミアム」に加入しているユーザーがDMを受け取ったことがあるユーザーに限って発信できます。

受信自体はすべてのユーザーが可能な一方で、通話機能そのものを無効化することも選択可能です。アプリの初期設定が着信を許可する設定になっているため、悪意のある第三者に利用されるのではという懸念も一部で生まれています。

複数の有料プランに変更



*2024年1月追記

2023年10月27日から有料プランの「プレミアム」に「ベーシック」と「プレミアムプラス」が追加され、それぞれプランに応じた機能が利用できます。

【ベーシック】

月額368円ともっともリーズナブルなプランが「ベーシック」です。クリエイターサブスクリプション等の収益化はできませんが、投稿後の編集や長文での投稿が可能になるなど、プレミアムの基本的な要素が一通り利用できるプランになっています。

【プレミアムプラス】

「プレミアム」よりもさらに高い月額1960円のプランが「プレミアムプラス」です。従来の「プレミアム」の機能に加えて【おすすめ】【フォロー中】のタイムラインへの広告が無くなることが大きな特徴と言えます。さらには返信に関して「返信のブースト(最大)」の機能が付与されます。
これは投稿に対して返信した際に優先して表示される機能です。無課金のユーザーや他のプランのユーザーに比べて、返信がより上位に表示されることでその影響力やインプレッション数も多くなることが期待されます。

まとめ


いかがでしたでしょうか?今回は「Twitter」から「X」で何が変わったのか?という点について主なものを紹介しました。

現在「X」で行われている改革は従来のTwitterの延長線上にあるものも少なくありません。しかし、イーロン・マスク氏は今後の展望として「X」がコミュニケーションツールとしてだけでなく金融や生活に関する機能を包括した総合的なサービスを目指すと宣言しています。社会的なインフラとしても定着した「Twitter」が「X」となり、さらに今後どんな展開を見せるか目が離せません。

SHARE

トップに戻る