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ロボットによる新しい変革! 今話題の「RX」とは?

DX推進DX用語

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様々なデータとデジタル技術を活用して業務そのものや組織・ビジネスモデルを変革する DX(デジタル・トランスフォーメーション)は、この数年で広く知られるようになりました。このDXは様々な取り組みを含んでいますが、近年特に注目されているのがロボットによる様々な変革「RX(ロボティクス・トランスフォーメーション)」です。

私達の普段の生活の中でもアイロボット社の「ルンバ」のようなロボット掃除機や飲食店での配膳ロボット等が徐々に浸透しています。このロボットが、さらに今後様々なビジネスの現場や私達の生活に変革もたらす試みが「RX」です。

今回の記事ではこの「RX」についてその意味や実際の事例について解説します。

調査概要

RXとは


「RX(ロボティクス・トランスフォーメーション)」とは主に人の手で行われていた業務プロセスをロボットに置き換えることで生産性の向上など図る試み全般を指しています。
日本国内では特に建設業界での取り組みが活発で、2021年にゼネコン大手を中心にロボット関連の研究開発を行う「建設RXコンソーシアム」*1が立ち上がりました。

「ロボット」の定義は自動掃除ロボットとして有名な「ルンバ」や工場などで物理的に稼働するロボットだけではありません。パソコン上での繰り返し作業・ルーチンワークを自動的に実行するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は「ソフトウェアロボット」による自動化として「RX」の一環として取り上げられることもあります。

今回の記事ではRPAのようなソフトウェアロボットではなく、物理的に稼働するロボットの「RX」に注目してご紹介します。

*1 https://rxconso-com.dw365-ssl.jp/index.html

RXが推進される理由/メリット


様々な現場で「RX」が注目されている大きな理由の一つに、働き手不足により増加する労働時間の軽減対策や、生産性の向上が挙げられます。
たとえば、建設作業の現場では搬送用ロボットを活用することで、作業員が重い荷物を持ち運ぶ必要がなくなり、他の作業に携われるため労働時間の短縮や身体への負担軽減が可能です。さらに事故の危険性が高い作業をロボットが代わりに行うことで、安全性を担保する…という目的もあります。自動で稼働する多くの搬送ロボットは休まず、自動的に多くの荷物を運ぶことができるため人の手による作業と比較しても生産性が段違いと言えます。


また、建設現場だけでなく同じく人手不足が叫ばれている接客業、特に飲食店などでは既に配膳ロボット等の取り組みが行われています。今後は、ロボットならではのインタラクティブ性も活かした活用などサービス向上に向けた研究開発が注目です。

RXの事例


建設業界:自律走行搬送ロボットシステム


建設RXコンソーシアムにも参加する大成建設株式会社は2023年8月に「自律走行搬送ロボットシステム」を開発しました。



「T-Drive X」と名付けられたこのシステムはAIによる画像解析等を活用して自動でルートや場所を判断して資材を運ぶことができます。さらには、この機能を活かして建設現場以外の幅広い分野での活用も期待されています。

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ソフトバンク株式会社では自走式のロボットとサイネージを組み合わせた「Cuboid×サイネージ」を主に法人向けに展開しています。歩行者や壁・障害物を自動で判別して自律走行を行うドローンに、サイネージをつけたこのロボットは主に大型商業施設やオフィス内等での情報告知に適しています。

自律走行を行いながら情報を掲示するため、固定式のデジタルサイネージが設置しづらい環境でも運用可能なことが特徴です。さらに自動で充電を行う点や、ルートや掲示内容の設定もiPadで簡易的に行えることから運用も専門的な知識が無くても容易になっています。

まとめ


いかがでしたでしょうか?今回はロボットに活用した様々な変革である「RX(ロボティクス・トランスフォーメーション)」についてご紹介しました。これまで人間が行っていた業務をロボットに置き換えることで、新たなチャレンジやアイデアを生む可能性が生まれています。
つい数十年前はSF映画や漫画・アニメの中で行われていたようなロボットと共生する社会もそう遠くない未来かもしれません。ロボット技術の今後の発展と各企業の取り組みにも注目です。

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