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コンテンツを内製化するときの注意点とポイント

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導入



近年、会社の情報をSNSや自社のメディア(オウンドメディア)を活用して発信している企業も多くなってきました。しかし、定期的な発信を行っていくと、コンテンツ制作を内製化するのか、それとも外注化するのかという問題に直面する企業は多いのではないでしょうか。
今回はコンテンツ制作の内製化、外注化のそれぞれのメリット・デメリットを踏まえながら、特に記事コンテンツの内製化に焦点を当て、重要なポイントと留意するべきことについてお伝えしていきたいと思います。

鈴木脩一

鈴木脩一

研究員/広報

調査概要


内製化と外注化のメリット・デメリット




コンテンツを内製化する際のメリット・デメリットは上記の通りです。

コンテンツの企画から掲載までのすべてを社内で制作するため、外注費用が発生せず制作に伴うコミュニケーションもスムーズに行うことができます。また、企画・執筆・編集などの基本スキルはじめ、SEO対策などの知識が社内に蓄積されていくことが最大のメリットです。結果として専門的な知識とスキルを持つ人材が育ち、読者にとって有益な記事が作られるようになります。

ただし、社内のリソースには限りがあるため、大量生産ができない、体制づくりに時間がかかるという点が内製化における課題です。取り組むにあたり、担当者は普段の業務と兼任しながらの進行になることも多いと思います。その結果、業務過多によって企画がワンパターン化してしまうといったことも懸念されます。こういった課題点を含め、十分な体制を整えていくには時間がかかることを考慮する必要があります。


対して、外注化する際にはライティングなどの時間がかかる工程を外部へ委託することにより、予算やスケジュールが許す限りコンテンツの大量生産が可能です。もともとライティングにあてなければならなかった時間をほかの業務にあてることができるため、時間を有効活用しながら進めることができます。
ただし、コストが発生することは勿論、複数のライターに依頼する場合は求められる基準を明確にしていないとライターによりクオリティに差が生じてしまうため注意が必要です。

内製化するときの注意点



さらにコンテンツを内製化するときの注意点は大きく分けて3つあります。

1つ目は、「プロジェクトリーダーを作ること」です。
コンテンツ作成において注意しておきたい落とし穴のひとつに”プロジェクトを取り仕切る担当者がいない”という事があります。プロジェクトリーダーを明確に決めず、必要なタスクを後回しにしてしまい、結果としてコンテンツの掲載スピードが遅くなるというミスは珍しくありません。必ずチームを引っ張っていけるプロジェクトリーダーをつくり、進捗管理を行う必要があります。

2つ目に「コンテンツ制作の知識をつけておくこと」です。
人々に見てもらえるようなコンテンツを作るためには、読者にとって有益な情報をスピード感を持ちつつ大量に掲載していくことが求められています。そのため、コンテンツの制作知識は必要不可欠です。どんな内容が好まれるか、コンテンツの構成・ライティングの技術、校正・編集の仕方など、必要な知識を身に付けておきましょう。

最後に「SEO対策」です。
SEO対策とは、検索結果で自社のサイトを多く露出をするために行う対策のことです。一般的には『検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)』の英語の頭文字を取って「SEO」と呼ばれます。その重要度は年々高まってきていますが、十分に自社サイト・コンテンツの最適化ができている企業は多くありません。良いコンテンツを読者の目に留まるようにするためにも、SEO対策に詳しい人をチームに入れるか、プロによるレクチャーや支援を受けることをおすすめします。

内製化する際の流れ




1.目標設定


まずは、現在抱えている課題や達成したい目標について整理しましょう。
何のためにコンテンツ制作をおこなうのかを最初に明確にしておくことで、軸がぶれずに記事作成ができます。また、「何故コンテンツ制作を行うのか」「何故社内で制作を行うのか」という点に関して会社からの理解も得やすくなります。

2.担当者を決める・チーム編成を行う


課題や目標が決まったら、企画の進行・スケジュール管理をおこなうプロジェクトリーダーとライティング担当者を決めます。リーダーを中心に、記事が今どのような進捗なのか、目標の達成状況のなどをチーム内で定期的にすり合わせることが大事です。

3.ターゲット設定をする


コンテンツを制作する前に、記事を読んでほしいユーザー像(ターゲット)を決めましょう。事前にターゲットについて調べておくことで、興味を持ってもらえそうな内容や前提となるリテラシー、専門知識のレベルが想定できます。対象となるターゲットがサービスや商品に関する専門知識が多いかそれとも少ないのか、という基準でコンテンツの内容を調整することが重要です。
専門的な内容を記事にする場合は、複雑な単語や英語・カタカナ文字が並ぶことがあるので、ターゲットとなる読者が一度でどの程度内容を理解できるのかを想定して記事を作成しましょう。


4. 記事作成のルールを定める


担当者によって、コンテンツの文体や表記、見出しの付け方、内容の密度などは違いが出てきてしまうため、事前にルールとして統一する必要があります。決まったルールはいつでも確認できる状態でマニュアル化し、共有しておきましょう。

5.コンテンツ制作


準備が整ったら、いよいよ制作に移ります。
文章を書き始める前に、まず事前に決めたターゲット層を確認しながら全体の文章構成をあらかじめ決めておくとスムーズに書き始めることができます。

6.フィードバックと成果分析


実際に記事を作成したあとは、内容に関しての第三者のフィードバックを経て掲載することが必要です。誤字脱字と言った基本的な部分のチェックは勿論、客観的な意見を参考にすることをおすすめしています。
掲載後には数値を元にした成果分析を行います。どれだけサイトに流入があったかなど、予め決めておいた目標数値に対する成果を確認し、次の記事での改善の参考とします。



まとめ


いかがだったでしょうか?
今回はコンテンツ内製化に向けたノウハウについてお伝えしていきました。

・内製化することによって、コストを抑えながら自社のコンテンツ制作ノウハウを蓄積できる
・内製化する際には、リーダーを作れているか、SEO対策・コンテンツ制作の知見があるか把握しておくことが必要である

最初からすべて内製するのは難しいという場合は、将来的な内製を目指しながら、部分的に外注するという方法もあります。今後自社発信を増やしていきたいという会社では、定期的に内容をアップデートしていけるような体制を見据え、少しずつ整えていくことが大切です。

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