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DXに欠かせない「CXM」とは?

DX推進

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DXを推進していく上で、注目を浴びている『CXM』という言葉があります。今回は、CXMとは何か?という基本からCXやCRMとの違いまで、幅広く解説していきます。

鈴木脩一

鈴木脩一

研究員/広報

調査概要



CXMとは



CXM(顧客体験管理)


CXMとは、「Customer Experience Management(カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント)」の略語で、日本語では「顧客体験管理」という意味を持ちます。

顧客は様々な企業の商品やサービスの中から自分に必要なものだけを選んで購入・使用します。その顧客が商品やサービスを調べて購入し、使用するまでの一連の流れを想定し、ニーズを理解して「体験価値を高めるための体制」を作りあげていくことがCXM(顧客体験管理)です。体験価値という枠組みの中には「性能・品質」や「価格」といった機能的な価値に加えて、「満足感」「感動」「心地よさ」といった顧客の体験から得られる価値も含まれます。

皆さんも実際に買い物でのプロセスの中や購入した後に好印象を覚えると、次もこの企業の商品(サービス)を利用したい!と思うことが多くあると思います。例えば買い物する際、店内の環境や接客は勿論、ECサイトでいえば利便性やアフターフォローなども「体験」に含まれます。いかに購入前後で体験価値を高める体制を作り、管理・運営していくかがCXMの重要なポイントです。

CXMが重要視されるようになった背景は様々な要因があります。

要因として最も大きいものは技術進歩による顧客の選択肢の増加です。インターネットや通信機器の発達により、顧客は様々な情報に触れられるようになりました。比較対象が多い市場の中で自社の商品やサービスを選んでもらい、且つリピーターになってもらうためにはその購入前後の体験が非常に重要になっています。

その他にもライフスタイルや価値観の多様化により、顧客一人一人がオリジナルの体験を求める傾向にあることも要因として挙げられます。



CXMのメリット



CXMに取り組むメリットは、大きく3つあります。


  1. 顧客定着率の向上

  2. ブランドイメージの向上

  3. リピーターと新規顧客の両方を獲得できる



これらのメリットに大きく影響しているのが「口コミ」の存在です。
商品を購入する際にECサイトやSNSの口コミを参考にする方も多いのではないでしょうか?口コミは実際に商品を使用した・サービスを受けた人の正直な意見を閲覧することができるため、高い 信頼度が寄せられます。

CXMに取り組むことで、個人オリジナルの体験を求める顧客にそれぞれ違ったアプローチが可能です。それにより他社との差別化を図り、高い評価の獲得に繋がります。

顧客は口コミやレビューの中にリピーターの意見や高評価があればあるほど、安心して商品やサービスを購入します。

CXMの関連用語


ここまでCXMの基本とメリットについて解説してきました。
それでは、CXMの関連用語である「CX」と「CRM」はどのようなものなのでしょうか?

CXとは


CXとは「Customer Experience(カスタマー・エクスペリエンス)」の略語で、「顧客体験」を意味します。
具体的には顧客が商品やサービスから得られる体験や経験全般となります。

デジタルマーケティングにおいては重要視される点が「商品やサービス自体から得られる価値」から「購入前後の体験から得られる価値(商品自体の価値も含む)」に変化しています。したがって、CXの重要性がより注目を浴びているのです。

似た言葉としてUX(User Experience)も挙げられます。UXは「商品やサービスを購入・使用することで得られる一つひとつの体験」を指すのに対し、CXは「商品やサービスを購入するまでの前後に得られる体験のすべて」であるため、CXとUXは意味が異なります。

UXとUIについて解説している記事はこちら


CRMとは


CRMとは、「Customer Relationship Management(カスタマー・リレイションシップ・マネジメント)」の略語で、「顧客関係管理」のことを言います。

顧客の情報を収集しデータ化することで、あらゆるニーズに対応し顧客とのよりよい関係を築き上げ、満足度や購買に繋げることが目的です。

CXM,CX,UXの関連性


ここまでCXMとCX、CRMの意味を解説してきました。
3つとも内容は異なりますが、顧客体験価値を高めるうえで密接に関わっていることが分かります。これらの「顧客一人ひとりのニーズや体験に注目する」という共通点から、変革を求められるDX推進において必要な分野といえるでしょう。



CXMを成功させるポイント


ではCXMを成功させるポイントは何でしょうか?
大きく分けて4つあります。

①顧客情報の可視化
②セグメンテーションによるターゲティング
➂検証(ABテスト)
④顧客個人に合わせたコンテンツの表示

①②を達成させるためにCRMに取り組むことで、顧客情報を分類・可視化します。その上で顧客個人の求めるコンテンツを効果的に表示することが可能になります。(④)。

顧客の求めているものを実際に調査することが➂の検証です。顧客の実際の声や反応・行動把握することが重要になります。

これらを活かしたCX(顧客体験)を提供するためにCXM(顧客体験管理)を行うことで、最終的に顧客と企業とのより良い中長期的な関係を築くことができます。


まとめ


ここまで、『DXに欠かせない「CXM」とは?』というテーマでお話してきました。


  • 「CXM」とは、顧客のニーズを想定・理解して体験価値を高める体制を作ること

  • 「CX」とは、顧客が商品の購入と前後のプロセスから得られる体験のこと

  • 「CRM」とは、顧客情報をデータ化し、顧客満足度の向上や購買に繋げること



CXやCRMとの関係性を知ることで、より理解も深まったのではないでしょうか。
時代の変化と共に、顧客とのより良い関係性を築くためにはCXMはより重要になります。そしてCXMを行う上でもDXによる変革は欠かせないものです。
今後はDXとCXMを両軸で捉えていくことが需要と言えるでしょう


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