活用できるデータと記事

Report & Column

「観る」から「触れる」動画にシフトチェンジ! DXを推進するインタラクティブ動画の汎用性

DX推進DX用語

SHARE



みなさんは『インタラクティブ動画』と聞いて何を思い浮かべますか?
総務省が実施した通倫理用動向調査によると、情報通信機器の世帯保有率については携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末では9割を超え(※1)、幅広い年齢層でオンラインでの動画視聴が日常化していることは言うまでもないでしょう。そんな中、新たなマーケティング手法としてインタラクティブ動画に注目が集まっています。

今までの動画と異なるのは”視聴者と双方向でコミュニケーションが動画内で取れる”ということです。
「イメージがつかない」という方も多いと思いますので、本日はインタラクティブ動画について基本からご説明させていただきます!

※1:総務省,令和3年6月,令和2年通信利用動向調査の結果,
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/210618_1.pdf

渡部美羽

渡部美羽

研究員 / 広報

調査概要


インタラクティブ動画とは







1.1 インタラクティブの語源と意味


「インタラクティブ」とは、双方向性や相互作用的という意味を持っています。つまりインタラクティブ動画とは、パソコンやスマホを見ながら、対話するように操作ができる動画のことです。もっとも身近な例として、Youtubeの動画広告が挙げられます。
視聴中に企業の公式サイトが出現し、会員入力フォームや購入ボタンなど視聴者にアクションをとってもらうように設計されている動画は定番化してきています。

様々な要素でユーザーと動画コンテンツを繋ぐ役割を果たすインタラクティブ動画。
従来の動画では動画内で気になった商品は別ページで検索をかけて買い物が始まる仕組みに対して、インタラクティブ動画は動画内に商品リンクや商品の詳細にアクセスできる点が魅力です。

1.2 インタラクティブ動画が登場した背景


⑴ 情報化社会によるインターネットの普及
携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末が9割を超え、10〜20代は約98%というデータも存在しています。情報化社会により情報を動画から獲得することも増え、よりユーザーに届きやすくするためにクオリティや動画の種類も日々進化し続けています。

⑵ SNSの拡大
スマホやパソコンの普及と昨今の情勢によって増えたおうち時間の影響で、SNSの利用率も向上しています。動画投稿型SNSで最も代表的なものはYoutubeですが、Instagramでもストーリーズやリールといった動画の機能が追加されたり、学生に絶大な人気を誇るTiktokなど動画を活用したSNSは拡大傾向にあります。

⑶ 動画マーケティングの定着化
映像コンテンツを活用して集客やPR、販売戦略を行う動画マーケティングは上記2つの要因からも導入する企業が増えています。公開するだけでなく、戦略立案から数値分析まで行うことが重要ですが、インタラクティブ動画では公開後の視聴動向データを分析することが出来ます。改善点を把握し、PDCAを回すことで目標数値の達成が叶うのです。





インタラクティブ動画のメリット・デメリット







2.1 メリットとその効果



⑴ コンバージョンに繋がりやすい
「コンバージョン」とは、消費者が目標としているアクションを起こしてくれることを指します。資料請求をKPIにおいているWEBページに消費者が訪れ、資料請求を行った場合、コンバージョンをひとつ獲得したことになります。
インタラクティブ動画を活用すると、商品リンクそのものが動画内に存在しWEBページへのスムーズな流入でコンバージョン獲得の獲得率の向上も見込めます。

⑵ 顧客エンゲージメントの向上
「顧客エンゲージメント」とは、企業が提供するサービスや商品にどれだけ消費者が信頼をおいてくれているかの指標です。高い信頼性を感じている消費者はもちろん購買意欲も高く、コンバージョンに繋がりやすくなります。従来のように一方的に動画広告や宣伝を発信するのではなく、視聴者参加型にシフトしコミュニケーションをとることが、顧客エンゲージメントの向上に貢献します。

⑶ 記憶に残りやすい
動画が一般的になってしまった今、様々なことと同時並行で流されてしまい、その動画だけに集中させるのは難しいのが現状です。しかし能動的にアクションを起こしてもらいやすいインタラクティブ動画は、より印象に残りやすく記憶させることに長けています。

2.2 デメリット


⑴ 制作コストがかかる
一般的な動画を作成する際にもアニメーションなのか実写なのかなど、様々な要素によって制作費は大きく変動します。それに加え、インタラクティブ動画はECサイトなど着地先になるコンテンツが必要になるため、もし現状持っていない場合はコストがかかります。

⑵ 専門的な知識が必要
動画制作の知識・技術だけではなく、選択肢での分岐点などを考慮する必要があるため、制作の時点で壁にぶつかってしまうことも多々あります。せっかく高い興味を持っている視聴者がいるにも関わらず、求めている情報が獲得できないインタラクティブ動画では、持っている効果を発揮することが出来ません。

インタラクティブ動画の作り方







3.1 基本的な4ステップ


⑴ 目標を設定する
まずは、誰に、何のためにインタラクティブ動画を発信していくのかという大前提がコンテンツや収益のバランスよりも大事なポイントとなります。そこが明確になるとコンバージョン率や購買率などの数値目標も明確に設定できます。

⑵ ゴールまでのシナリオを設計する
普通の動画広告とは違い、企業が何をどう伝えたいのかではなく、ユーザーに自社の商品をどのように体験させたいのかを考える必要があります。インタラクティブ動画を作る上で狙いに対する視点が違うことが大きな特徴となります。

⑶ 動画制作
次に実写やCG、アニメーションなどあらゆる手法の中でどのような形式で撮影していくのかを決め、制作スタートです。必要な素材、手配しなければならないものの全てが揃ったタイミングで動画編集に入ります。

⑷ 動画をインタラクティブ化する
動画編集が終わったら、インタラクティブ化に入ります。要は、動画内に商品リンクやユーザーにアクションを起こさせる仕組み作りをするフェーズです。視聴者の注目しそうなポイントに吹き出しなどで端的に情報を補足すると、よりリッチな動画になります。


3.2 プラットフォームの活用


インタラクティブ動画の知見がなく、制作にハードルを感じる方は多いと思います。
そんな方にはプラットフォームの活用がおすすめです。インタラクティブ動画の認知度向上に伴い、インタラクティブ動画を手掛ける企業は多く存在します。そのため、上記のステップを最初から最後まで一任することも選択肢にしてみてください。

インタラクティブ動画の幅広い汎用性







4.1 インタラクティブ動画の利用シーン



⑴ リードの獲得
リードとはコンバージョンに繋がりやすい見込み客のことです。コンバージョンに繋がりやすいということは、角度の高いリード情報が獲得しやすくなります。MAツールと連携することでターゲットに向けた顧客はもちろん、それ以外の見込み客も管理できるようになります。

⑵ プロモーション
メリットの部分でもお伝えしたように、記憶に残りやすく認知拡大に効果を発揮しやすい点が特徴です。SNSで動画広告として活用することも、自社HPなどでコンテンツとして発信することにも適しています。もし実店舗を持っている場合、オフラインでの集客にも効果的でしょう。

⑶ 採用活動
最近の採用活動では学生と企業のミスマッチにより、社員が定着しないなど浮き彫りになった課題が存在します。課題を改善していくためには、企業は最適な情報を提供し応募者の志望度をあげていくことが重要です。
インタラクティブ動画の強みである、能動的なコミュニケーションやゲーム性を活かす方法も1つの有効な手段と考えます。

4.2 インタラクティブ動画の将来性


今回のような動画を「見る」のではなく、「触れる」新たな技術が誕生しました。その背景には、大きな課題であったリードの獲得の難しさやエンゲージメントの減少が課題でした。しかし、インタラクティブ動画の浸透により、プロモーションする企業だけでなく、視聴するユーザーともWIN-WINの関係を構築する画期的な発明だと考えます。

まとめ


今回はパソコンやスマホを見ながら双方向でコミュニケーションができる技術である、インタラクティブ動画を解説してきました。
SNSの普及により、SNSの進化も求められてきたこの時代にインタラクティブ動画は非常に有効な技術だと確信しています。
ぜひ、SNSを使って発信していきたいと思う方はインタラクティブ動画の活用を検討してみてください!

SHARE

トップに戻る